- ドメブラって憧れるけど、あんまりお金は出せない…
- セレオリならよく買うけど、ドメブラってなるとハードル高いなあ
- せっかく高い服を買うなら価格に見合った価値は欲しいよね
という人に向けて、今回はコスパに優れたドメスティックブランドを4つご紹介します。
まず前提として、2022年くらいからのファッション業界は凄まじいほど値上げの一途を辿っています。
インポート・ドメブラ問わず、以前と比べると同ブランドの同アイテムでも3〜4割は値上げしているんじゃないかってくらい。
これは原材料や物価そのものの高騰、不安定な政治情勢などが原因とされていますが、まあ要するに2024年現在で我々服好きを取り巻く環境は非常に過酷。
だからせっかく高いお金を払って服を買うならできるだけ安くて良い服、もしくは払ったお金に見合う価値のある服、つまりコスパの良い服を買いたいわけですよ。
ということで今回はコスパの良いドメブラをご紹介していくわけですが、ここで改めて考えたいのが「そもそもコスパの良い服ってなんなのか?」ってこと。
この記事では「コスパが良い」という言葉を以下の3つの意味で使うこととします。
- 単に価格が安い
- クオリティに対して見るとリーズナブル
- リセールバリューが高い
なので単に値札を見ると「いやいや高いじゃん」となるかも知れませんが、クオリティに対する価格設定やリセールバリューを考えると非常に納得感のある価格帯にはなっているかなと
またこれも大前提として言っておきたいのですが、”コスパの良さだけで”服を選んだりブランドを評価するのは、ファッションを楽しむ上で絶対に違います。
本当にカッコいいと思う服、心から着たいと思う服を着るのが選ぶのが、ファッションとしては大正解ですからね。
ただまあ前述のように、そうは言ってられないほどの価格高騰に襲われているわけでして、コスパの良いブランドを選ぶのではなく、それしか選択肢がない人が多いのも事実なんですけど…
結局はせっかくお金を払うなら損したくないし、できるだけコスパ良くファッションを楽しみたいよねって話です。
前置きが長くなりましたが、今回ご紹介するブランドたちは上記①〜③の意味で非常にコスパの良いブランドだと思うので、支出を抑えて効率良くファッションを楽しむためにもぜひ参考にしてみてください。
なおコスパの良い低価格なドメブラについてはこちらの記事でもご紹介しているのですが、今回ご紹介するのは2024年版ということでまたちょっと違ったブランドもご紹介していきます。
- 嫁と子供と服を愛してやまない30代既婚男性
- 20代後半で突然目覚めた遅咲きの服好き
- 年間100万円以上を服を買う服バカ
- シンプルで素材にこだわったドメブラが好き
【2024年版】本当にコスパの良いドメスティックブランド4選
Cornier(コルニエ)
いきなりですが、今回ご紹介する中でも2024年現在でダントツにコスパの良いブランドだと思っているのがCornier(コルニエ)です。
Cornierは2022年にデザイナーの西村林太郎氏が立ち上げたブランド。
ブランド発足からまだ2年程度と比較的新しいブランドではありますが、その異常なまでのコスパの良さで服好きを中心に沸々と人気が出てきていますね。
そんなCornierのコンセプトは、
日本の産地が世界に誇る、最高級素材と独自の加工技術を手に取りやすい価格で
コンセプトそのままに、世界三大毛織物産地である尾州地方(愛知県・岐阜県にまたがる地域)に拠点をおき、上質な生地を使った驚くほどハイコスパなアイテムを作っています。
Cornierでは素材メーカーに対して一切の価格交渉をしないという真摯な向き合い方をすることで最高の素材を提供してもらい、生産者もブランドも利益を生み出せるというサスティナブルなビジネスモデルを目指しているそう。
実際CornierではSuper○○’sといった上質なウールやブラジリアンシルクなど最上級の生地を使いながら、他のブランドではちょっとあり得ないほどの低価格を実現していますからね。
そんなコルニエのコスパの良さは、クオリティに対して価格が安いのは当然そうなんですけど、そこを通り越してシンプルに価格が安過ぎるってところ。
人気ドメブラと同レベルの素材や生地を使っているにも関わらず、価格帯はセレオリとほぼ同じですからね。
普通のコスパ良いブランドって「このクオリティでこの価格ならお得感あるな〜」くらいの感想ですけど、Cornierは「この素材でこの価格はあり得ないでしょ!!そんなわけないよ!!」って感じですもんね。笑
この価格でここまで上等な素材や生地を使われたら、セレオリや競合するブランドはたまったもんじゃあないだろうなと。
Cornierはもう同業者から苦情来そうなレベル、まさに価格破壊ですからね
ちょっとだけ例を挙げると、Super130’sのウールを100%使用したシャツやスラックスが税抜きで2万円を切る驚愕の安さだったり、ブラジリアンシルク100%のシャツが2.5万円となっています。
普通のドメブラならウール100%のシャツで4万円〜、シルクシャツなんてなったら5万円オーバーだってザラにありますよ
あんまり原価率で服を語りたくはないですが、通常のブランドが原価率30%ほどで作るところを、Cornierでは60%近くの原価率となっているということで、数字で見てもCornierの異常なまでのコスパの良さが分かります。
Cornierに関しては昨シーズン(23AW)くらいまでは「確かに素材に対する価格はとんでもないけど、デザインがもうひとつ」とか「サイジングが小さめで体の大きい人は着れない」など、ブランドとしてあと一歩的な部分があったのですが、2024年からはそれらの問題もクリアされつつあって。
デザインについては素材の良さを活かしたシンプルなものが多いのですが、その中でも着ていてグッとくるディテールや本格的なミリタリーっぽいアイテムも増えてきています。
サイズ感についても、当初はデザイナーが小柄ということで小さめの作りとなっていましたが、24SSくらいからはしっかりとゆったりめなものも増えてきていていますし。
まあなんにしたって圧倒的なコスパなので、多少の物足りないところがあっても目をつむれるというか、セレオリとほぼ同価格でドメブラと同等の生地を使った服が手に入るわけですからね
なおCornierは直営店を持たず卸もやっていない(だからこそこの安さを実現できている)ため、基本的にはシーズン毎に各地で行われるポップアップストアか、公式オンラインストアでの購入となります。
ちょっと手に取りにくいのが玉に瑕ですが、オンラインストアは返品可能ですしポップアップも比較的たくさんやってくれるので、そこは安心ですよ。
私も24AWで初めてポップアップストアに行ってきましたが、どのアイテムも最高な上にもう安過ぎて超楽しかったので、行ける人はぜひ行ってみて欲しいです。
Cornierのポップアップ行ってきました
— はむすけ|はむのファッションブログ (@ham50865160) October 18, 2024
いやーもう本当に全部良かった!!
特に良かったのはPコートとマウンテンパーカー、シルクデニムあたりでしょうか
↓以下で詳しくお伝えしていきます pic.twitter.com/tVDeio2wXq
AURALEE(オーラリー)
AURALEE(オーラリー)は2015年にデザイナーの岩井良太氏が立ち上げ、「素材からデザインを考える」というほど素材へのこだわりが強いブランドです。
デザインやシルエットは素材の良さを生かしたシンプルかつミニマルなものが多く、誰が見ても「ああ、こりゃあ良い服だ」と思えるような分かりやすく上質な服となっています。
清潔感に溢れナチュラルで優しい雰囲気となる一方、ポップなカラーリングや清潔感のあり過ぎる服、インポートライクなサイズ感など、意外と合わせるのが難しいブランドでもありますね。
そんなAURALEEのコスパの良さは、極上の素材に見合わない価格設定と爆発的人気によるリセールバリューの高さです。
素材に強くこだわるAURALEEでは希少な素材を使っているのはもちろん、ウールやコットンなど比較的ありふれた素材でも非常に高級感のある質感にするのが得意でして。
例えばAURALEEの定番人気アイテムであるウォッシュドフィンクスツイルシャツは、AURALEE独自の特殊な加工を施すことでコットンでありながらシルクのようななめらかなタッチかつ強い光沢感となっています。
個人的にコットンシャツとしてはドメブラの中でもずば抜けて良い生地だと思っているのですが、そんな素晴らしい生地のシャツで価格が30,800円(税込)ですからね。
他のドメブラだったら少なくとも3万円台後半はするだろうなっていう生地感ですよ
またAURALEEは2024年になってから圧倒的な人気を誇るブランドとなっており、その人気に支えられたリセールバリューの高さも魅力です。
元々2018年くらいに一度人気が爆発したAURALEEでしたが、その後の退廃的なトレンドに伴ってやや人気も下火となっていました。
しかし2023年頃からトレンドの揺り戻しでリラックス感のあるキレイな服が人気になり始めると、そこからはAURALEEの独壇場。
もうインスタグラムやXなどのSNSでは猫も杓子もAURALEEといった感じで、人気アイテム発売時には店頭に数十人規模の並びが出るわ、オンラインでは数秒で完売するわの大騒ぎ。
そうなると当然リセールバリューも高騰していき、AURALEEのアイテムというだけでかなり高額で取引されるようになっています。(一方でクソ転売ヤーも大量発生しているのですが…)
このバブル的人気がいつまで続くかは分かりませんが、2024年現在に限って言えばとりあえずAURALEEの服で気になるものがあれば買い得、みたいな状況にはなっていますね。
AURALEEについてはこちらの記事でさらに詳しくご紹介しているので、気になった人はぜひ読んでみてください。
cash&barba(キャッシュアンドバルバ)
cash&barba(キャッシュアンドバルバ)はデザイナーの石川俊介氏が2023年から展開する、カシミヤ専門のブランド。
石川氏は人気ブランドであるMARKAWARE(マーカウェア)やmarka(マーカ)のデザイナーでもあり、それらのブランドも素材には並々ならぬこだわりを持つ中で、石川氏が新たに素材をカシミヤに限定したブランドを立ち上げるということでcash&barbaは大きな注目を集めていました。
ちなみにブランド名である「cash&barba(キャッシュアンドバルバ)」は、カシミヤ(Cashmere: cash)とオーガニックな超長綿(Barbadense: barba)から取られています。
そんなcash&barbaのコスパの良さは、クオリティに対する圧倒的な割安感です。
cash&barbaでは素材の産地まで実際に足を運んで農場や工場とダイレクトに取引をすることで、他と比べて非常にリーズナブルな価格で上質な素材を使用することができます。
カシミヤのために外モンゴルまで行って実際に遊牧民と会って交渉しているデザイナーは、他のブランドではなかなかいないんじゃないかなと。笑
そうやって手に入れたモンゴリアンカシミヤは、放牧で育てられたカシミヤ山羊から採取されるため毛足が長く繊維が細いのが特徴となっています。
正直今ドメブラでカシミヤニットを買おうと思ったら5万円〜みたいな価格設定になっているのですが、cash&barbaのモンゴリアンカシミヤニットは肘にレザーパッチまで付いて税込33,000円と非常にリーズナブル。
cash&barbaのブランドコンセプトは「日常に行き届くラグジュアリー」ですが、3万円でこのクオリティのカシミヤニットが手に入るのは、まさにコンセプト通りだなと感じますね。
cash&barbaは、良いカシミヤニットをできるだけ安く買いたいと思ったらまず見ておくべきブランドだと思いますよ
ちなみに石川氏がデザイナーを務めるMARKAWARE(マーカウェア)については、下の記事で詳しくご紹介しています。
MARKAWAREも極上の素材感でめちゃくちゃ良い服を作っており、私も大好きなブランドなので気になった人はぜひ読んでみてください。
COMOLI(コモリ)
COMOLI(コモリ)は小森啓二郎氏が2011年にスタートしたブランドで、日本の気候と日本人の体型に合う、非常に雰囲気のある服を作っています。
COMOLIの魅力はもう「雰囲気」の一言。
上質な素材をあえてそうは見せない使い方ををしており、周りの空気ごと纏うような独特のゆるいシルエットと相まって、まあバチバチにカッコいいんですよ。
まさに余裕のある大人の日常着といった感じで、コーデなんか何も考えずともCOMOLI同士で合わせるだけで抜群に雰囲気のあるスタイリングが完成しますからね。
そんなCOMOLIのコスパの良さは、安定した人気からくるリセールバリューの高さです。
2024年こそAURALEEの後塵を拝するような形となっていますが、2020〜23年までのドメブラ界はまさにCOMOLI一色でした。
COMOLIが出すアイテムはどれも即完の連続で、COMOLIに寄せたような雰囲気のブランドも多く出てきて、COMOLIの人気アイテムは次のシーズンには多くのブランドから類似アイテムが出るという始末。
その勢いは本当に凄まじく、COMOLIを代表する人気アイテムだったブリーチデニムなんかは、ドメブラのみならずユニクロなどマス層のブランドまで波及していきました。
トレンド全体がCOMOLIに寄っていき、COMOLIが次から次へと新しいトレンドを生み出していましたから
そんな異常な人気にCOMOLI自身が嫌気がさしたのか、ブリーチデニムやタイロッケンコートなどブランドの代名詞とも言える人気アイテムを続々と廃盤にしていき、2024年では一時の過熱感は収まっています。
しかし根強くCOMOLIを支持する熱い服好きは多く残っており、今なお二次市場では高値で取引されるため、基本的にリセールバリューは高め。
キレイに着ていれば数シーズン前のアイテムでも定価の5〜8割ほど回収できるため、リセールバリューという意味では非常にコスパの良いブランドと言えるでしょう。
例えば3万円のシャツでも数シーズン後に2.5万円で売れれば、実質5千円だったことになりますからね
それもこれもやはりCOMOLIというブランドが持つ雰囲気、COMOLIを着た時の高揚感が唯一無二だからこそ。
最新のアイテムじゃなくても色褪せない魅力が、COMOLIの服には詰まっているんですよ。
私自身久しぶりにCOMOLIを着ると「ああ、やっぱCOMOLIだな」って思いますもんね
COMOLIについてはこちらの記事でおすすめアイテムなども含めて詳しくご紹介していますので、ぜひ読んでみてください。
【本当にコスパの良いドメスティックブランド4選】まとめ
今回は2024年時点で私が思う本当にコスパの良いブランドをご紹介してきました。
今回ご紹介したようなブランドでうまく服を買っていけば、そこまでお金を使わずとも存分にファッションを楽しむことが可能です。
特にフリマアプリが浸透し切った今の時代、単純な価格だけでなくリセールバリューまで含めてコスパを考えてあげると良いでしょう。
単純に価格が安いものに飛び付きがちですが、本当に良いものには相応の値札が付いて然るべきで、上等なものを安く買おうだなんて虫がいいことはほぼ無理ですからね
また冒頭の繰り返しになりますが、コスパが良いに越したことはないとは言え、コスパだけで服を選ぶのは楽しくない。
やはりファッションにおいては「うわ、めっちゃカッコいい」とか「あ、これ欲しいわ」といった刹那的な衝動って絶対に大事ですから。
コスパうんぬん原価率うんぬんという理屈なんて抜きで、自分が本当にカッコいい・欲しいと思った服は、きっとあなたにとって最高の買い物になるでしょうし。
そしてファッションにおいて最もコスパが良い服というのは、着る回数が多い服です。
逆にアイテム単体としてどんなにコスパが良かろうとも、着る機会がなくクローゼットに眠っている服がコスパ最悪なんですよ。
コスパだけに囚われていると、自分が本当に欲しいものを見失いがちなので気を付けたいところです
まあね、とは言えこのご時世ですから、適度にコスパも追い求めてファッションを楽しんでいきましょう。
ではまた!!
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