- 春秋冬と3シーズン使える勝負コートを探している
- うっとりするほど美しい生地のコートが見てみたい
- この先長く使える上質なコートが欲しい
今回はこういった人に向けて、最高に美しいコートをご紹介します。
CIOTA(シオタ)のスビンコットンギャバジンタイロッケンコートです。
この記事ではシオタのスビンコットンギャバジンタイロッケンコートについて、実際に着てみて分かった魅力や気になる点、サイズ感なんかについても詳しくレビューしていくのでぜひ参考にしてみてください。
最高に美しいコートに出会えましたよ!!
- 嫁と子供と服を愛してやまない30代既婚男性
- 20代後半で突然目覚めた遅咲きの服好き
- 年間100万円以上を服を買う服バカ
- シンプルで素材にこだわったドメブラが好き
CIOTA(シオタ)とは?
CIOTAのタイロッケンコートをレビューする前に、CIOTAというブランドについて軽くご紹介していきます。
それよりも早くレビューを見たい、という人はこちらから飛べますのでどうぞ。
岡山県発のファクトリーブランド
CIOTA(シオタ)は、岡山県の縫製工場である株式会社シオタ(SHIOTA)が運営するファクトリーブランド。
ファクトリーブランドが何かっていう話はこちらの記事で詳しくご紹介しているので、興味のある人はぜひ読んでみてください。
CIOTAはファクトリーブランドならではコスパの良さとミリタリーをベースとした普遍的なデザイン、そして何より極端なまでの素材・生地へのこだわりが特徴。
その衝撃的な生地の良さで、2019年秋冬の立ち上がり直後から服好きたちを魅了して一気に人気ブランドまで駆け上がっていますね。
ブランドを代表するデニムやベイカーパンツなどは、発売前の行列や発売直後に即完は当たり前で、一時期は本当に手に入らない状態でした
最高級のスビンコットンを使ったアイテムたち
CIOTAの最大の特徴は、その強過ぎるほどの素材へのこだわり。
特にコットン素材に対してのこだわりっぷりは尋常ではなく、CIOTAではすべてのアイテムにスビンコットン(※)と呼ばれる、世界でもごくわずかしか採れないという最高級のコットン素材が使われています。
スビンコットンは世界でも数パーセントしか採れない超希少なコットンですから、そんな素材をすべてのアイテムに使うなんてちょっと他のブランドでは考えられないことなんですよね。
ちなみにCIOTAで使われている素材に関しては、株式会社SHIOTAのテキスタイル事業部のインスタグラムで詳しく紹介・解説してくれています。
ブランドの中の人がSNSをやっていること自体がめずらしくってとても勉強になりますし、何よりおもしろいからぜひ見てみて欲しいですね
スビンコットンはインド原産のスジャータ綿(SUJATA COTTON)と、カリブ海のセントヴィンセント島(St VINCENT)の海島綿を交配して作られた品種のコットンのことで、スビン(SUVIN)という名前は元となった品種から来ています。
スビンコットンは他のコットンに比べて繊維が極端に細く・長く・強靭で、シルクのような光沢とカシミアのような肌触りが特徴。
世界でもインド南部の一部地域でのみ栽培されており、一般的なコットンよりも生育期間が長く求められる気候条件も厳しいことから、栽培が非常に難しいと言われています。
さらに綿花を傷付けないように手摘みが基本となっており、栽培だけでなく収穫にも手間もかかる品種なんですね。
そのため希少性はとても高く、世界に流通するコットンの0.0008%程度しかないとも言われる、まさに「幻の最高級コットン」というわけです。
ミリタリーやヴィンテージをベースとしているから飽きが来ないで長く着られる
CIOTAでは長年アパレル業界で活躍してきた荒澤正和氏がデザイナーを務めており、CIOTAのアイテムは基本的には荒澤さんが所有しているミリタリーやヴィンテージ、ワークウェアの名作をモチーフにしたものとなっています。
だからCIOTAの服は流行り廃りやトレンドを気にせずに長く着られるものが多いですね。
メンズファッションにおける永遠の定番、みたいなアイテムをモチーフにしていることが多いから、今着ていてもカッコいいし10年後おっさんになってからも着ていられるようなアイテムなんですよね
ちなみに荒澤さんもインスタグラムでCIOTAのアイテムについてや、そのデザインソースのアイテムについても詳しく解説してくれています。
デザイナーさんの考えを直接教えてもらえるのは貴重ですから、こちらもぜひ見てみてください。(2022年5月現在では休止してしまっているようです)
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またCIOTAというブランドについては、こちらの記事でさらに詳しくご紹介しているので気になった人はぜひ読んでみてください。
【レビュー】CIOTA(シオタ)のタイロッケンコートはこの上なく美しいコート
改めてですが、今回レビューするアイテムの概要はこちらとなります。
ブランド | CIOTA |
アイテム | スビンコットンギャバジンタイロッケンコート |
シーズン(購入時期) | 2021年秋冬 |
カラー | ブラック |
サイズ | 6(Lサイズ相当) |
素材 | コットン100% |
価格 | 99,000円(税込) |
ヴィンテージをモチーフにしたタイロッケン仕様
CIOTAデザイナーの荒澤さんのインスタグラムによると、CIOTAのタイロッケンコートは80年代のイギリスの某ブランド(おそらくバーバリー)のコートをオマージュしたデザインとなっているとのこと。
ちなみにタイロッケンコートとはトレンチコートの原型にもなったと言われている、前開きをボタンではなくベルトで閉めるタイプのコートのことです。
ベルトでタイ(tie:結ぶ)してロック(lock:閉める)から「タイロッケン」って言うんですね。
最近ではチェスターコートやトレンチコートに続くコートの形として一般的になりつつあるタイロッケンコートですが、タイロッケンコートの名を一躍広めたのはやはり超人気ドメブラであるCOMOLI(コモリ)でしょう。
そんなコモリのタイロッケンコートと一見似たようなデザインであるシオタのタイロッケンコートですが(そもそもデザインソースは同じものだし、タイロッケンコートは元々非常にミニマルなコートなので似てしまうのは当然です)、実はシオタとコモリでベルトの仕様など細かい部分が結構違うんですよね。
特に違うのが前開きの閉め方でして、言葉で説明するのは難しいんですが、コモリの方は比較的シンプルにベルトをバックルで止めるものなのに対し、シオタの方は内側にフックが付いていてベルトもコート正面を横切るようにしっかりと止めるのものとなっています。
シオタの方が前開きを閉めるのがめんどくさいことはめんどくさいんですが、閉めた時に見た目のキッチリ感は出ますし、閉めたまま動いても前開きのズレなどは生じにくい構造になっていますね。
また内側に付けられたフックは前開きを閉めた時に生地のズレが出ないように固定してくれるという機能だけでなく、デザイン的に良いアクセントになっていまして、前開きを開いて着る時にチラッと見えるフックがカッコいいんですよ。
しかもこのフックやバックルといった金具部分にはヴィンテージ加工が施されているので、変にピカピカして安っぽく見えるということもまったくありません。
このようにシオタのタイロッケンコートは細かなディテールまでこだわっているので、前開きをベルトで閉め、襟まで閉めた「全閉めスタイル」がカッコいいのは当然。
ですが個人的には、前開きは開けた状態でたっぷりとしたシルエットとドレープ感のある美しい生地を存分に活かしてバサッと着るのが最高にカッコいいと思っていますね。
シオタのタイロッケンコートをバサッとラフに着ていると、なんだかドラマか映画の主人公になった気分になれちゃう…。それくらいに着ていて高揚感のあるコートだと思いますよ
美し過ぎるスビンコットンギャバジン
まずこのコートの最大の特徴にして最大の魅力は、何と言ってもスビンコットンを贅沢に使った生地ですよ。
「シオタと言えばスビンコットン」と言いましたが、こちらのコートも例に漏れず表地はスビンコットンを100%使ったギャバジン生地となっています。
そんでもってこのスビンコットンギャバジンの生地感がもう本当にうっとりするほど美しい…
この生地感だけで購入を決めたと言っても過言ではないです
ちなみにギャバンジンとは糸を高密度かつ急傾斜で綾織りした生地のことで、光沢感やなめらかさのある見た目と、高い強度と撥水性・防風性があるのが特徴です。
元はバーバリーが開発した生地ということで、今なお高級なスプリングコートではよく用いられる生地となっていますね。
そんなただでさえ光沢感やなめらかさのあるギャバジン生地を、これまた光沢感やなめらかさが売りのスビンコットンを100%使って作っちゃうもんですから、そりゃあもうとんでもない生地になっているわけなんですよ。
それこそ「これ本当にコットン100%か?シルクでも混ざっているんじゃないの?」ってくらいに上品な光沢があって、コートを持つととろけるようになめらかという、ちょっと言葉にするのが難しいくらいの生地感になっていますから。
こればっかりは実物を見て、触ってもらわないと伝わり切らないと思うので、本当にぜひ見てみて欲しい!!
また個人的に惹かれたのがこのコートの裏地。
裏地はキュプラ100%となっており、腕通りが非常になめらかなのはもちろん、裏地なのに見た目がめちゃくちゃ美しいんですよね。
風にあおられてふわっとなった時や室内に入ってコートを脱いだ時に見える裏地の美しさが、なんかこう奥ゆかしいというか、非常に上品な美しさなんですよね。
こういう表面に出てこないような目立たない部分までも美しいっていうところに、めちゃくちゃに惹かれるんですよねえ…
キュプラってよく聞くけど、どんな素材なのか知っていますか?
キュプラとは綿花(コットンボール)からコットンの原料となる繊維を取った残りの、綿の種子に付いたコットンリンターと呼ばれる産毛のような繊維から作られる素材のこと。
シルクのように光沢がありなめらか、しわになりにくく吸湿性も高いという特徴から、高級な下着や肌着に用いられます。
さらに静電気を帯びにくいため、高級スーツやコート、スカートなんかの裏地にも使われることの多い素材ですね。
なおキュプラは現在、世界でも数社でしか作られていない貴重な素材で、日本の旭化成が世界的なシェアを誇っているっていうのは日本人として鼻が高いですよね
世界最高の縫製工場で縫われている
シオタのスビンコットンギャバジンタイロッケンコートは、シオタのデザイナーである荒澤さんが「世界最高のコート工場」と呼ぶサンヨーソーイングで縫製されています。
だから隅々までの縫製がびっくりするほどキレイなんですよ。
コートの縫製って普段あんまり意識して見ないって人も多いと思いますが(私も実際そんな見ませんし)、こちらのコートに関してはじっくりと見てみて欲しい。
素人の私でも分かるほどの、寸分の狂いもない驚くほど繊細な縫製ですから
こういう縫製とか細かな部分ってそれだけだとあまり目立たないところなんですけど、実際は服全体の印象を大きく左右するようなところでもあります。
スビンコットンギャバジンの美しい生地とサンヨーソーイングによる美しい縫製の2つが合わさっているからこそ、シオタのコートの非常に上品な印象を実現しているんですよね。
墨黒(スミクロ)の曖昧な色味が美しさ・合わせやすさともに最高
今回私が購入したのはブラックというカラーですが、このブラックがまた良い色味。
シオタ自身も「今季のタイロッケンコートはブラックが良い」と太鼓判を押すほどで、真っ黒ではない墨黒(スミクロ)という少し薄めのブラックとなっており、光の当たり具合によっては少しブラウンがかっているようにも見える絶妙な色味なんです。
しかも見た目に美しいのはもちろんのこと、インナーとの合わせやコーデ全体の印象を考えた時も非常に使いやすいんですよ。
コートって全身を覆うもので、コーデ全体で見た時にコートが占める部分ってかなり大きくなります。
だからバキッと真っ黒なロングコートだとコーデ全体の印象がキツくなってしまったたり、何か闇の組織感が出てしまったりするもの。
しかしシオタのブラックは柔らかで曖昧な墨黒なので、色味としてのキツさも和らぎますし、クールだけどどこか優しい印象になります。
またインナーにブラックを持ってきた時にも、インナーとコートの間で微妙な色味の違いを出すことができるので、コーデの幅が広がるというメリットもあります。
真っ黒なコートにブラックのインナーだと全身まっくろくろすけになっちゃうけど、墨黒×ブラックだと微妙なニュアンスの違いやグラデーションが出て、コートとインナーの両方が映えるんですよ
たっぷりとしたシルエット
シオタのタイロッケンコートは、身幅をたっぷりとったリラックス感のあるシルエットになっています。
また着丈も長く、サイズ6で120cmあるので身長179cmの私でも膝下くらいの丈感になりますね。
ただしバカみたいに大きいというわけではなく、ある程度常識の範囲内でゆとりのあるシルエットなので、私のような30代でも全然抵抗なく着られますし、ビッグシルエットブームが終わったとしてもこの先長く活躍してくれそうではあります。
あとはもうなんてったって生地が良いので、リラックスシルエットでバサッと羽織るのがまた画(え)になるんですよね。
まさにスビンコットンギャバジンの贅沢な生地を存分に味わえるシルエットになっていますよ。
さらに身幅や腕周りがゆったりとしているとインナーに厚手のニットを着込むことができるので、東京などそれほど寒くない地域であれば真冬でもこのコート1着で乗り切れるでしょう。
スビンコットンギャバジンの生地は防風性も高いので、インナーにニットを着込めば見た目以上に暖いですよ
実際に着てみて少し気になる点
とまあ本当に素晴らしいシオタのスビンコットンギャバジンタイロッケンコートなんですが、実際に生活の中で着てみて少し気になる点もあったので、この辺は正直にお伝えできればと思います。
シワが気になる
まずはコットン100%のロングコートということである程度仕方のない部分ではあるのですが、若干シワは気になります。
特に電車の中など、コートを着たまま椅子に座るタイミングがあると、結構いびつなシワが付いてしまいます。
そして美しい生地とミニマルなデザインによって非常に洗練された雰囲気を持つコートである分、シワが入っていると余計に目立ってしまうんですよね。
粗野で退廃感のある生地だったりするとシワも魅力のうちだったりするんですが、シオタのスビンコットンギャバジンは美しさが売りですから、できるだけシワのない状態をキープしておきたいんですよ
ただしアイロンをしっかりとかけないと取れない、というほど深くシワが入ることもないですし、脱いだ後シュシュっと消臭スプレーをかけて一晩ハンガーにかけておくとある程度は取れるので、そこまで気になることはありませんけどね。
追記になりますが、シオタのタイロッケンコートは3ヶ月ほど着てみたところ、着込むほどに生地が柔らかくトロトロになる感じがあります。
そして生地感柔らかくなるにつれて、新品時では目立っていたシワがだんだんと目立たなくなったような気もするんですよね。
ポケットの位置が低く、ポケット自体も深い
シオタのタイロッケンコートは両サイドのポケットの位置がやや低めで、ポケットの中も結構深めです。
これはベルトでウエストをキュッと閉めた時にちょうど良い高さになるという、モチーフとなったミリタリーコートのディテールを再現したものでして、ヴィンテージアイテムを忠実に再現するシオタならではポイントでもあります。
ただそうは言っても前を開けて着ることの多い私としては、ポケットの中身を取り出そうとする時にポケットの底まで手が届かなくてちょっと困るんですよね。
特にエアーポッズなどの小物は取り出すのに苦労します笑
ただその分ポケットの容量が大きいということでもあるので、ちょっと手ぶらで出かけたいって時なんかは重宝する部分でもあるんですけどね。
ちょっとだけ袖が短い、ような気がする…
シオタのタイロッケンコートは若干、本当に若干ですが袖が短いように感じます。
サイズ6で桁丈(ラグランスリーブなので袖丈ではなく桁丈)が85.5cmとなっており、私の場合は手を下ろした時にちょうど手首が隠れるくらい。
ラグランスリーブなのでその人の肩幅によって袖の長さも左右されるのですが、もうちょっとだけ長くてもいいんじゃないかなって。
まあ私自身が今のトレンド的にも袖の長いコートに慣れてしまったっていうのもあるかも知れませんし、好みの問題でもあるんですけどね。
今は大きなシルエットで袖も長いコートが流行っているけど、この先長く着ることを考えたらこれくらいの袖丈の方が良いのかも知れませんけど…
【CIOTA(シオタ)のタイロッケンコートはこの上なく美しいコート】まとめ
シオタのスビンコットンギャバジンタイロッケンコートは生地、シルエット、デザインのすべてが非常に美しいコートです。
約10万円と決して安くはない価格ですが、使われている生地の質と量、縫製の正確さを考えるとシオタ以外では実現不可能な価格でもあると思います。
まあだからと言って10万円のコートを「コスパ良い!これは買いです!!」なんて言うつもりもありませんが、少なくとも私は払った金額に見合った、いやそれ以上の価値のあるコートだと思っていますし、もちろん後悔はありません。
「シンプルで長く着られる、上質なコートが欲しい」っていう人は買って損のないコートだと思いますよ。
ではまた!!
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コメント
コメント一覧 (6件)
たしかに袖が2cm程全体として短く見えますね。
今のトレンド的に袖の長いコートに慣れてしまっただけで、実はこれくらいの袖丈が普通だったりするんですよね。
にしてもこれだけ大きなコートでも袖の2cmで違和感を覚えてしまうんだから、服って面白いですよね笑
たしかにバランスとして袖が短いのか腕が長い気がしますね。
記事内のショップの商品写真だと結構短く感じますよね!
ただ実際は着ていて動いている分にはさほど気にはならず、ピタッと止まって腕を下ろしたりすると「あれ?短いかな?」って思う程度なので、袖丈の短さを理由にこのコートの評価が下がるか?と言うとそんなことはありませんよ。
紹介されたCIOTAのコートと、過去に紹介されたウティ、オーラリーのコート、どのくらいの頻度で着ていますでしょうか?
また、ウティのコートも光沢感が強いとのことでしたが、CIOTAと比べてどちらの方が光沢感があるのしょうか?
CIOTAとOUTILのコートとAURALEEのコートでは防寒性が違うのでそれぞれ着る季節を分けていますが、どれも週2,3日くらい着ていますよ。
時期のイメージとしては今の時期(〜15℃くらい)ならCIOTAとOUTIL、10℃以下になったらAURALEEのウールコートを着る、といった感じでしょうか。
また生地の光沢感に関してはCIOTAよりも圧倒的にOUTILの方があります。
同じコットン100%ですがOUTILの方はモールスキンという目の詰まった光沢の強い生地となっていまして、正直ちょっと光過ぎじゃないかってくらいビカビカです笑