こんにちは、ham(@ham50865160)です。
当ブログでも

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こちらみたいに、結構デニムの紹介記事って書いてきているんです。(しかも1記事目や100記事目など、記念すべきタイミングではデニム記事ばかりです)
そして今回もデニムの紹介です!
今回購入したのはこちら。

CIOTA(シオタ)の本藍スビンコットンストレートデニムです。
このデニム、一言でいうと『究極のデニム』なんです。

目次
CIOTA(シオタ)の本藍ストレートデニムの魅力を語りたい
CIOTA(シオタ)ってどんなブランド?

CIOTA(シオタ)は、岡山県にある縫製工場・生地会社である株式会社シオタが、2019年秋冬から立ち上げたファクトリーブランド。

立ち上がりのシーズンから多くの注目を集めていたCIOTAですが、2年目となった今年は本当にすごくて、定番アイテムはなかなか手に入らないほどの人気っぷりです
母体が縫製工場と生地会社という強みを生かして、素材の選定から生地作り、縫製まで全てを自社で賄い、全てにおいて妥協のない服作りをしているっていうのが、私含め多くの服好きに刺さっているんですよね。
CIOTAのデザイナーは、20年間デザイナーとして数多くのアパレルブランドで活躍されてきた荒澤正和さんという方が勤めています。
そして荒澤さん曰く、「CIOTAのデザインは生地からインスピレーションを受けている」とのこと。
それほどまでに生地にこだわっていますから、今回ご紹介する本藍スビンコットンストレートデニムも驚くほどこだわり抜いたデニム生地を使っています。
スビンコットンを使用したオリジナルのデニム生地

デニムって経糸(たていと)と緯糸(よこいと)の経糸だけにインディゴ染めされたものを使うわけですが、CIOTAではインディゴ染めされていない緯糸の方に、贅沢にも超高級素材であるスビンコットン(※)を使っています。
スビンコットン(SUVIN Cotton)とは、インドのスタージャ綿(SUJATA Cotton)とカリブ海のセントヴィンセント島(St.VINCENT)で栽培されるシーアイランドコットンを交配して作られた綿種。
「SUVIN」という名前は、「SUJATA」と「St.VINCENT」からとられているというわけです。
栽培できる気候環境が極めて限定的(高地で風が強く、夏は暑くて水が豊富にある)で、インド南部の限られた地域でしか栽培できないとされ、また栽培にも時間がかかるため生産効率が落ちて自然災害にあう可能性も高まるという、非常に非生産的なコットンと言われています。
さらにスビンコットンの収穫では手摘みが基本で、さらに生産効率は下がるのですがその分繊維の細くて長く、丈夫であるという最高級のコットンとなるのです。
スビンコットンとはインド南部の限られた地域でのみ栽培される超長綿の1種で、コットンの全収穫量のうち0.05%以下という超希少な種です。
スビンコットンは、スーピマコットンやGIZAコットンといった他の有名な超長綿と比べても繊維が細く長くしなやかであるため、シルクのような光沢とカシミアのような肌触りを持った最高級のコットンと呼ばれていたりもします。
せっかくそんな高級素材を使うのであれば、直接肌に触れて生地感の分かりやすいTシャツであったり、光沢やしなやかさが際立つシャツを作りたくなるもの。
しかしCIOTAでは、そんな超高級素材をデニムに使っちゃうんです。笑
というか実はCIOTAでは、コットン素材全てにスビンコットンを使うというこだわりよう。
こうすることによってデニムとは思えない、柔らかでなめらかな生地感となるわけですね。
今では珍しい本藍染め
現在作られている多くのデニムは合成インディゴという化学染料を使って染めているんですが、CIOTAのデニムは本藍という天然染料を使って染め上げています。
インディゴというのは藍色成分のことであり、よく『インディゴ染め』と言われることがありますが、実は染料の名前ではありません。
「インディゴ」という呼び名は、元はインドで使われる染料だったことが語源となっているようですね。
藍といわれる植物から採れる天然染料を使って染めるのが『藍染め』、これに対して科学的に作られた合成インディゴを使って染めるものを『合成インディゴ染め』と言います。
『藍染め』と『合成インディゴ染め』は、双方ともに染色成分としてはインディゴというわけですね。
もちろん天然染料である藍は扱いは難しく、また染料自体も高価になりますが、一概に天然の藍染めが優れているかというとそうでもない。
藍染めでは
- 色に深みが出る
- 同じものは2つとない希少性
などのメリットがありますが、合成インディゴだって、
- 不純物が少ないため発色が良く、ムラなくキレイに染まる
- 染料の定着力が低く、色落ちを楽しめる
- 安価
というメリットがあるわけです。
CIOTAのデニムではこの本藍染めのメリットを活かして、とても深くて奥行きのある藍色(ネイビー)に仕上がっています。
また希少性という意味ではなかなか見られない本藍染めのデニムですから、服好き心をくすぐるディティールとなっていますね。
ちなみにこの藍染めは日本古来からの染色方法とされ、藍色は「ジャパンブルー」とも言われてサッカー日本代表のユニフォームカラーになっていたりします。
染色はもちろんロープ染色
デニムの染色方法には
- ロープ染色
- 枷(かせ)染め
の2種類があります。
ロープ染色とは、機械を使って数百本もの糸をロープ状に束ねて染色液に浸けるという染色方法で、一気に大量の糸を染めることができます。
対して枷染めは、手作業で枷壺(かせつぼ)と呼ばれる壺に入った染色液に浸けるという染色方法で、非効率的ながらも糸の芯までしっかりと染まり、深みのある青さとなります。

これまたインディゴの話と通ずるところがあるのですが、機械で大量に作るものと職人が1つ1つ手作業で作るもの、どうしても職人が作る方が優れていると思いがちですよね?
しかし、デニムをデニムとして楽しむためにはロープ染色の方が優れた点は多いのです。
インディゴというのは非常に染色能力の低い染料で、なかなか染まりにくいのが特徴なのですが、ロープ染色のように大量の糸を一気に染めるとどうしても糸の芯まで染まりきらないんですよ。
でもこれがデニムの色落ちの秘密。
芯は染まっていないという『中白(なかしろ)』と呼ばれる状態で染め上げることで、履いているうちにだんだんと表面の染料が落ちて中の白い部分が見えてくる。
これの現象をデニムの色落ちっていうわけです。
やっぱり色落ちはデニムの醍醐味なわけで、履いているうちに自分だけの色味になっていくっていうのは本当に何とも言えない満足感がありますよね。
CIOTAのデニムではそういうキレイな色落ちを楽しんでもらうために、ロープ染色を使っているんですね。
CIOTA(シオタ)の本藍ストレートデニム、実際に履いてみたら…
履き心地はちょっと異次元

先述のように、CIOTAのデニムには緯糸にスビンコットンが使われているので履き心地は抜群。
デニムとは思えないほどの柔らかさ、スムースさがあって、ちょっとしっとりしていると言うか、本当になめらかな生地感なんですよね。
手で触ってみてももちろん良い生地ですが、履いてみると脚全体で生地感を味わえるので、まさに異次元の履き心地に感じますよ。
多分皆さんもスビンコットンでできたデニムなんて、なかなか触ったことないでしょうし、これは本当に一度実物を触って、できれば履いてみて欲しいんですよね。
メリハリのあるストレートシルエット

CIOTAの本藍ストレートデニムは、デザイナーの荒澤さんが持っていた70年代の古着のストレートデニムをモチーフに作られており、基本的にはストレートシルエットとなっています。
しかしただのストレートシルエットではありません。
ウエスト部分だけが少しキュッと絞られていることで腿周りに丸く膨らみが出て、柔らかなテーパード感が出るようになっています。
そうなんです。
CIOTAのストレートデニムは腰元が結構独特。

こちらの写真を見ていただくと、腿からウエストにかけてキュッとすぼまっていくようになっているのが分かりますよね?
このように
- ウエストは絞られ
- 腿周りはゆったり
- 裾にかけてはストレート
とすることで、ドカン落ちるような大味なワイドストレートではなく、曲線的で上品なCIOTAだけのシルエットになるんです。
ちなみにCIOTAのストレートデニムはボタンフライなんですが、1番上、最後のボタンを閉める時だけ少しキツく感じます。
それまではゆったりしていて余裕なのに、最後の1つ、1番上のボタンを閉める時だけ「あれ?急にキツいな」って。
これもウエストが絞られている証拠ですね。(断じて私がメタボだからではありませんよ!!笑)

爽やかなミディアムブルー

CIOTAの本藍ストレートデニムには、
- ワンウォッシュ
- ブルー
- ミディアムブルー
- ブラック
- グレー
のカラーバリエーションがありますが、私の購入したのは1番人気のミディアムブルー。
これが本当にキレイな色味なんですよ。
1番人気なのもうなずけます。
結構薄めのブルーで、ポケットや腰元、腿部分など色落ちの激しい部分はほぼホワイトと言っていいほど。
元がゆったりめのストレートシルエットということもあって、デニム特有のヒゲやハチノスといったバキバキ系の色落ちは再現されておらず、こまめに洗濯を繰り返したような清潔感のある色落ちの仕方になっています。
このキレイなブルーは、夏はとても爽やかに履けますし、冬も暗くなりがちなコーデの中で明るさをプラスしてくれるでしょう。
ちなみにCIOTAのデニムはカラーによって価格が違うのですが、ミディアムブルーはユーズド加工が施されている分、ワンウォッシュよりも約10,000円ほど割高になって約39,600円(税込)します。
サイズ感はスタンダードだが、サイズを上げて大きめに履くのがおすすめ

サイズ感に関しては大きくもなく、かと言ってタイトでもなく、若干ゆったりめのスタンダードといったところ。
そんなCIOTAのデニムを最初に履いた時に思ったのは、股上が結構浅めってこと。
まあデニムとすれば別にローライズってわけではないし、普通くらいなんでしょうけど、最近はワイドパンツやハイウエストで履くパンツが流行ってて、そういうのばっかり履いていたので「おや?」って思いましたね。
またデザイナーの荒澤さんは、このデニムは1サイズか2サイズ上げて大きめに履くことを推奨しています。
私であれば31inchでジャスト、いつもは32inchを履いているので、33や34inchを選ぶってことですね。
いやね、もうこのデニム人気過ぎてサイズを選んでなんていられないんですよ。
発売当日には取り扱い店に行列ができて、ECサイトでも一瞬でサイズ欠けが出るような状態ですから。
私だって本当は32,33,34inchと履き比べて買いたかったのですが、私もたまたまECサイトで32inchが1本だけ残っているのを見つけて、ようやく買えたという状態でしたし。
それでもジャスト〜ややゆったりくらいのサイズ感で履けているので、満足はしていますけどね。
ちなみに今なら(2020年8月3日まで)、渋谷のSteven alan TOKYOでCIOTAのデニムフェアをやってまして、なんとそこならシルエット、カラー、サイズをパーソナルオーダーができるそうです。
先に知ってたらこっちでいろいろ履いてから買いたかった…笑
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丈は長めなので丈詰め or ロールアップ必須
股下は未処理ではないもののかなり長めにとってあるので、余程の足の長いモデル体型じゃない限りは丈詰め、もしくはしっかりとロールアップをして履くことになります。
私の購入したミディアムブルーであればウォッシュ加工済みなので、洗濯で縮むことはほぼないと考えて下ろす前に丈詰めしていますが、ワンウォッシュや濃い目のカラーの場合は念のため一度洗濯をして縮めてから丈詰めした方がいいかもですね。
またミディアムブルーでは、新品時に裾にもウォッシュ加工がしてあるので、丈詰めをすると裾だけ色落ちしていないという、少し違和感のある仕上がりになるので難しいところ。

それでも大きめにロールアップして履くよりはワンクッションで履きたかったので、まあこの辺りはどこかで妥協するしかないんですよね。
なお今回私はユニオンスペシャル(※)っていう、少し特殊なミシンで丈詰めをしてもらっています。
ユニオンスペシャルとはアメリカのミシンブランドの名前で、主に1950年代に裾上げ用として使われていたミシンです。
ユニオンスペシャルでチェーンステッチを縫うと、丈詰め後の裾部分に生地のねじれができ、このねじれのおかげで履き込んでいった時に裾がキレイに味のある色落ちしてくれます。
ちなみにこのねじれ、1950年代当時は不良品としてクレームが絶えなかったそうです。笑
それがヴィンテージ好きの間ではたまらないアジとして認識され、今ではユニオンスペシャルで裾上げをするということが大きな付加価値となるんですから、面白いものですね。
作り手側もとことんこだわって作っているCIOTAのデニムですから、裾上げだって妥協なくこだわりたいところです。
【CIOTA(シオタ)の本藍ストレートデニムの魅力を語りたい】まとめ
実はこの記事、最初は書くつもりじゃなかったんです。
CIOTAというブランドについての記事は書くつもりだったけど、このデニム単体での記事はいいかなって。
でもそんな時にSNSで「このデニムについて詳しく解説して欲しい」ってご意見を頂いちゃいまして、いい気になって書いてしまったというわけです。笑
もしこれを読んでくれている方も、
- こんな記事を書いて欲しい
- このアイテムについてもっと詳しく紹介して欲しい
っていうのがあったら言ってくだされば意外とすぐに書いたりしますので。笑
話が逸れましたが、CIOTAのデニムは本当に素晴らしい。
ブルーデニムに関してはもうこれでアガリかなって思ってるくらいですし、正直これよりも良いブルーデニムに出会える気がしないんですよね。
確かにめちゃくちゃ人気で、開店前に並んだりECサイトにアップされる時間にPCに張り付いていたりと、なかなか手に入れるのが難しいかも知れません。
しかし私は実際に履いてみて、このデニムがそれだけ価値のあるデニムだと断言できます。
是非皆さんも頑張って一度触れてみて欲しいですね。
ではまた!!