こんにちは、ham(@ham50865160)です。
いやー私30歳にして初めてのバブアー(Barbour)なんですが、これでようやく大人の男の仲間入りができたって感じがして、なんだか感無量です。笑
今回私が初バブアーに選んだモデルがこちらのビューフォート(BEAUFORT)というモデル。

確かにビデイルと言えばバブアーでは最も有名かつ1番人気のモデル。
これは私もめちゃくちゃ悩みましたよ。
でもいくつかの理由でビューフォートを選びまして、今ではビューフォートにして本当に良かったとしみじみ思っています。
っていう私みたいな人って結構いると思うんです。
そこで今回は
- バブアーってどんなブランドか?バブアーの魅力
- ビューフォートの特徴・ビデイルとの違い
- 私がビューフォートを選んだ理由
をがっつりとご紹介していきますので、これから初バブアーを買おうと思っている人、2着目3着目にビューフォートを狙っているという人たちにも、少しでも参考になればと思います。
目次
Barbour(バブアー)とは?
漁師のための服作りから始まった
バブアー(Barbour)は1894年、今から120年以上も昔にイギリス北東部のサウスシールズという場所で生まれました。
創業者はジョン・バブアー(John Barbour)という方で、創業当初から北海(イギリス北部の海)の過酷な天候のもとで働く漁師や水夫のために、ワックス(オイル)を染み込ませたコットン生地の服を作っていました。
当時は今で言うゴアテックスみたいな高機能素材がありませんから、ワックスドコットンの防水防風性、耐久性は衝撃的だったみたいですね。
ちなみに当時はワックスに鱈(たら)の肝油を使っていたというから驚きです。
ロイヤルワラント(英国王室御用達)を3つ全て持っている

そんなバブアーのワックスドコットンの評判は瞬く間に広がり、その機能性の高さから第一次、第二次世界大戦ではイギリス軍への供給もされたほどです。
1974年には最初のロイヤルワラント(英国王室御用達)の称号を得ることになるのですが、その後1928年、1987年と立て続けに獲得し、今では3つのロイヤルワラント全てを保持する稀有なブランドとなっています。
ロイヤルワラントとは、イギリス王室が本当に良いものを作っている(またはサービスを提供している)国内ブランドや企業に発行する許可証のようなもので、ロイヤルワラントホルダー協会が正式に認めたブランドのみが、ロイヤルアームズと呼ばれる紋章を掲げることができます。(ロイヤルアームズって響きがクソかっこいい…)
日本にも似たような売り文句として「宮内庁御用達」がありますが、こちらは宮内庁の許可なく言ってしまえば勝手に掲げることができるので、そういう意味ではロイヤルワラントの方が格式高く、よりそのブランドの品質を担保するものと言えるでしょう。
しかもロイヤルワラントは更新制となっていて5年ごとに審査があるため、1度ロイヤルワラントを与えられても、そのクオリティを維持し続けないと5年後には剥奪される可能性があります。
つまりロイヤルワラントは、王室に認められるほどのクオリティを持ち、それを長期間維持し続けられるブランドのみが得られる名誉ある称号なんですね。
またロイヤルワラントを認定する権限を持つのは、イギリス王室の中でも正統な王位継承者のみ。
現在では
- エリザベス女王
- エディンバラ公フィリップ(エリザベス女王の夫)
- チャールズ皇太子
の3名がその権利を持っており、3名それぞれが自分のロイヤルワラントを与えることができます。
そしてバブアーのすごいところは、上の3人分のロイヤルワラントを全て所持しているということ。
ロイヤルワラントを1つでも持っているだけでもすごいことなのに、3つ全て持っているブランドはイギリスでも数えるほどしかありませんからね。
圧倒的な機能美を誇るワックスドクロス

バブアーの1番の特徴といえば、やっぱりワックスドクロスと呼ばれる生地ですよね。
ワックスドクロスとは、コットン生地にワックス(オイル)を染み込ませて防水性や防風性、耐久性を高めたもの。
元々は高機能な化繊生地のない時代にその機能性が支持されて人気となったんですが、ワックスドクロスの魅力は機能性だけではないんです。
新品時ではとにかく美しく、そして着込むほどに味わい深い経年変化をしていきます。

ワックスの染み込んだことによる、ジワっとした独特の光沢感やヌメり(ワックスが塗られているので実際に触るとヌメっとする)は本当に美しい。
さらに着込んでいくとワックスは段々と抜けていくんですが、この時にデニムのようなアタリが出てきて自分だけの経年変化になります。
こういう機能が先にあってそこを追求した結果、見た目にも美しくなるっていう機能美とも呼ぶべき美しさが私は大好きです。
またワックスがしっかりと染み込んだ状態では濃い濃い深みのある色味で、ワックスが抜けていくにつれて徐々に淡く色褪せていくんですけど、これがまたキレイなこと。
生地感もハリのある重い状態から、軽く動きのあるものに変わっていきますし、まさに自分で育てる服なんですよ。
もちろんワックスが抜けてきたら終わりではなく、ワックスを再び染み込ませるリプルーフという作業を行うことでワックスドクロスの機能性は蘇ります。
好みや用途に合わせてカスタマイズができる

バブアーのジャケットは、別売りのフードやライナーを付けて自分好みにカスタマイズすることができます。
なんかこういうのってすごくワクワクするのは私だけでしょうか?
小さい頃に遊んだおもちゃの「組み合わせは無限大!」みたいな。笑
実際はフードとライナーだけなので全然無限大ではないんですけど、ジャケットを買った後にもこうやって追加できるのは嬉しいポイントだと思います。
全てに意味があるデザイン

バブアーが生まれたのは1864年。
この頃の(特にメンズ)服って漁師のためだったり炭鉱夫のためだったりはたまた軍用だったりと、全て何かの目的のために作られた、いわばツールだったんです。
そして今ではバブアーにま数多くのモデルがありますが、これらもそれぞれに目的を持って作られています。
例えば1番人気のビデイルは乗馬用に作られたジャケットであり、裾部分は馬に跨った時に邪魔にならずに広がるようサイドベンツと呼ばれる形になっていますし、その他のモデルにもそれぞれの目的に沿ったデザインやディテールが施されています。
このようにバブアーの服には、そのデザイン1つ1つには全て意味があります。
おしゃれのために作られた服ではないため、おしゃれのために無意味にデザインが付けられることは(ほぼ)ないんです。
バブアーのアイコンであるコーデュロイの襟だって、今でこそデザイン上のワンポイントみたいなとこありますが、本来は風から首元を守るために襟を立てて着た時、肌に当たる部分を柔らかく暖かくするためのもの。(オイルドコットンは防水・防風性はありますが、冷たい風にさらされるとかなり冷たくなります)
このように1つ1つに意味があるデザインの服は、服全体での説得力が増して安っぽくならないのでおしゃれ初心者にもおすすめです。
ビューフォートってどんなモデルか?ビデイルとの違いは?
ゲームハンティング用に開発されたモデル

先述のようにバブアーの各モデルは、それぞれに何かの目的のために作られた服です。
そして私の購入したビューフォート(BEAUFORT)はゲームハンティング(競技狩猟)用のジャケット。
ビューフォートにはゲームハンティングで役立つギミックが散りばめられているのですが、最も特徴的なものはゲームポケットでしょう。
ゲームポケットとはハンティングで狩った獲物を入れておくためのポケットであり、ビューフォートの腰部分には大きく左右から開口するゲームポケットが付いています。
まあ現代の日本では獲物を狩って入れておくことなんてまずないんで、ただの大きなポケットとして使うことになるんですけど、これが結構便利です。
特に男性は手ぶらで出かけたい人も多いでしょうから、財布やスマホ、ペットボトルなんかもポンポン入れられるゲームポケットは重宝しますよ。(あまり荷物を入れ過ぎると重心が後ろに引っ張られますけど笑)
他にも腕の可動域を広げるためのラグランスリーブだったり、ハンティングの際にすぐに腕まくりができるような袖の仕様になっていたりと元はハンティングのためですが、今私たちが着るのにも実用的なギミックが多く施されています。
母国イギリスでは1番人気?
バブアーの1番人気はビデイルだと言いましたが、それは日本での話。
バブアーの母国イギリスでは、ビューフォートの方が1番人気ということです。
パラブーツのシャンボード然り、こういうことって割とあるんですけど、それぞれの国民性だったり生活様式によるものが理由になっていることが多いので面白いですよね。
ちなみにバブアーの店員さんによると、ビューフォートの方がスーツに合うっていうのがイギリスで人気の理由らしいです。
スーツに合うっていうのは、ビューフォートはビデイルよりも丈が長くてジャケットの上に羽織った時にジャケットの裾がすっぽり隠れるくらいになっているから。

他にもビデイルでは袖がリブになっているのに対して、ビューフォートではマジックテープ(モデルによってはスナップボタン)になっているので、スーツの袖と干渉しにくいっていうのもあるみたいです。
この人気モデルの違いからも、「日本人はバブアーをカジュアルに着たい、イギリス人はバブアーをスーツの上に着たい」ということが分かって面白いですよね。
臭い(におい)は全くない
そんなイメージを持っている人もいるんじゃないでしょうか?
確かに昔のバブアーって新品でもオイルの独特な臭いがしたんですよね。
それに加えて昨今のヴィンテージ古着ブームで必ずしも状態が良くない古着バブアーも多く出回りましたから、「バブアー=クサい」っていうイメージが付いてもおかしくないとは思います。
ただしこれ、今のバブアーは全く当てはまりません。
本当に全くの無臭です。
これまたバブアーの店員さんによると、確かに昔のバブアーで使われていたオイルは多少臭ったものもありましたが、今ではオイルを改良したことにより臭いはほとんどしなくなったとのこと。
まあケアを怠ってテキトーに放っておくと臭ってくる可能性はありますが、それはどんな服でも同じですし、特別バブアーだからといって臭いを気にする必要はなくなったということですね。
気になるケアは?
これまたバブアーって少なからずそういうイメージありますよね?
私もビューフォートを買うまでは、「バブアーってカッコいいんだけど色々めんどくさそうだよな…」って少し躊躇していた部分もありました。
しかしそんなものは杞憂で、実はお手入れラクラクでとっても着やすい!
…とはいきません。
やっぱり普通の服よりは少し気を使うことが多いです。
バブアーのワックスドクロスでまず気を付けるべきは、ワックス移りです。
ワックス移りとはワックスドクロスのワックスが触れた他のものにベタっと染み付いてしまうことですが、特に新品時やリプルーフ直後なんかのワックスがたっぷり染み込んだ状態だと、どうしてもワックス移りは避けられません。
あとはリュックみたいな身体に密着するバッグにはワックスが付いてしまいます。
この辺はトートバッグにするとか、バッグをジャケットの中に入れるとかするのかいいのかなと思います。(私はどうしてもリュックが良かったので無印良品でワックスが付いてもいいようなリュック買いましたけど笑)

ちなみに手に持っていてワックス移りが心配な時は、ワックスの面が内側になるようにクルッと裏返して手に持つと裏地のチェックが見えてかわいいですよ。
あとはクローゼットに入れる時もワックスの面が隣の服と触れないようにしています。
一応店員さんの話では新品から3ヶ月ほど経てばある程度ワックス移りは落ち着くそうですが、とにかく買った最初とリプルーフのあとは特に注意が必要ということですね。
また夏の間保管する際には、カビにも注意が必要。
バブアーのワックスってカビにとっては格好のエサですから、長期間密閉されたクローゼットの中にかけて置いたりタンスに折り畳んでしまっておくと、ほぼ確実にカビが生えてしまいます。
夏の間は風通しの良いクローゼットの中にしまっておきましょう。
私が初Barbour(バブアー)でビデイルではなくビューフォートを選んだ理由
さて、ここまででバブアーの魅力は十二分に伝わっていると思います。
今まだバブアーを持っていないあなたはもうバブアーが欲しくてたまらなくなっていることでしょうし、既にバブアーを持っているというあなたもまた新しく1からバブアーを育てたくなっているはずです。笑
じゃあどのモデルを買いましょう?
やっぱり定番のビデイルかな?それともビューフォートがいいかな?
そんな迷っているあなたに、ここからは私がなぜビデイルではなくビューフォートを選んだかをご紹介することで、あなたのバブアー選びのヒントになればと思います。
ちなみに参考までに私は179cm77kg(最近太った…笑)で、クラシックフィットの42(日本のXL相当)というサイズを購入していますよ。
定番かつ、ビデイルほど人と被らない
ビューフォートはバブアーの中でもトップクラスに人気の定番モデルです。
先述のように母国イギリスでは1番人気ということでしたし、日本でもおそらくビデイルに次ぐ人気でしょう。
私自身、特に初めてバブアーを買うって人にはやっぱりビデイルかビューフォートをおすすめしたい。
理由としては、この2つは他のモデルと比べても圧倒的に合わせやすいですし、単純にバブアーの魅力も分かりやすいモデルだから。
ただね、ビデイルはとにかく他人と被るんですよ…
あくまで私の体感ですが、バブアーを着ている人の6〜7割はビデイルで2割くらいがビューフォート、残りの1割くらいが他のモデルって感じです。
バブアー初心者にとって定番モデルの安心感は捨てがたいけど、服好きとしては極端に他人と被るのは嫌なもの。
そういう面でビューフォートは、定番で安心感もあってどんなコーデにも合わせやすいにも関わらずあまり他人と被らないという、私にとっては最高のモデルだったんですよね。
長めの着丈でハーフコートのように着たい
今回私は、バブアーのワックスドジャケットをハーフコートみたいに少し上品に着たかったんですよね。
ビューフォートはビデイルに比べて10cmほど着丈が長くて、今でいうとちょうどハーフコートくらいの丈感。
また袖口もリブでカジュアルな仕様のビデイルに対して、ビューフォートの袖口はよりスマートな印象があります。
まあ母国イギリスではスーツに合わせるってだけあって、ビューフォートはちょっとキレイめなんですよね。
私はあまりしないとは思いますが、やっぱりスーツに合わせられて使える幅が広いってのも付加価値としては大きいですし。
このように全体的にブルゾン寄りのビデイルとは違って、コート寄りで大人っぽく着られるっていうのがビューフォートの1つの魅力と言えるでしょう。
シルエット(特にアーム)がとてもキレイ

実はこのビューフォートを買う時、ビデイルと合わせて試着しまくりまして、最後の最後までビデイルかビューフォートかで悩んだんですよ。(本当に店員さんに迷惑かってくらい着たり脱いだりしてましたね笑)
そして結局はビューフォートを選んだわけですが、その最後の決め手はアーム周りのシルエットのキレイさでした。
何度も言うようにビデイルは袖口がリブになっているため、アーム部分の生地が袖にたまる感じがあったんですよね。
加えてワックスドクロスは新品時では結構しっかりしていることもあって、アームがかなりボリューミーな印象になっていました。
こうなると着丈も短めのビデイルですから、シルエットとしてさらに横に広がる感じが強調されていて、この辺はちょっと好みが分かれるところかなと。

それに引き換えビューフォートでは袖口のリブがないため、アームがストンと落ちるキレイなシルエットになっていたんです。
実際にビデイルとビューフォートを着た状態で着丈も測ってもらったんですけど、実測では8〜10cmくらいしか変わらなくてもパッと見はもっと大きくシルエットが違うように見えましたよ。
ハンティングポケットでバッグいらず

ビューフォートの特徴でもあるハンティングポケットは、元々狩った獲物を入れておくためのものなんですけど、現代では普通にバッグを持たなくてよくなって便利ですね。
元々前身頃に付いているパッチポケットと合わせると、本当にほとんどの人はバッグいらないんじゃないかな?
しかもゲームポケットも前身頃のパッチポケットも、それぞれジップとスナップボタンがあるので荷物を落としてしまう心配もありません。
【私が初Barbour(バブアー)でビデイルではなくビューフォートを選んだ理由】まとめ
誰もが知ってる永遠の定番とも言えるバブアーですが、こうして改めて見ると本当に魅力が詰まりまくった服だなと。
120年の歴史もロイヤルワラントコンプリートも納得の逸品ですね。
そんなバブアー1着目には大人気のビデイルもいいですが、少し捻ってビューフォート、これはこれでかなーりアリじゃないでしょうか。
皆さんがこの記事をきっかけに、これから一生着ていくような素敵なバブアーに出会えることを願っています。
ではまた!!